双子の自然分娩体験談「実際どうだった?」気になる6つの疑問を解決
双子=帝王切開が当たり前
だと思われがちですが、双子を自然分娩で出産するママは約3割います。
私も3割のうちの1人。双子を自然分娩で出産しました。
この記事では双子でも自然分娩が可能になる条件やリスクなど双子の自然分娩のキホン情報から、私の双子出産時の経過や費用などの体験談を紹介しています。
これを読めば双子の自然分娩に関するあらゆる疑問がスッキリ解決!
「自然分娩を目指して頑張ろう!」という気持ちになれるかも。
自然分娩を目指すパパママの参考になってくれたら嬉しいです。
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〈この記事でわかること〉
- 双子の自然分娩について
- 条件
- メリットとリスク
- 双子の自然分娩体験談
- 双子の自然分娩についてのQ&A
- かかった費用
- 双子出産の時間差
- 便利だったグッズ etc
\出産準備は完璧?/
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双子の自然分娩について
そもそも自然分娩とは陣痛や腹圧など、ママの力で分娩する経腟分娩を自然分娩と言われています。※
※筆者は陣痛促進剤を使った経膣分娩を経験しています。医療的介入があるため自然分娩ではないという判断をされる方もいることをご了承ください。
双子を自然分娩で出産できる条件は?
双子を自然分娩で出産できる条件は以下の3つ。
①病院が自然分娩を受け入れていること
母子ともに順調な経過だとしても出産予定の病院の方針によっては「帝王切開のみ」ということもあります。双子でも自然分娩を受け入れてくれる病院を選ぶことが必要です。
私が切迫早産で1ヶ月間お世話になったこども病院では多胎出産は全て帝王切開でした。
②母子ともに経過が順調であること
双子で自然分娩ができる病院でも「条件付き」であることがほとんどです。母子共に経過が順調であることはもちろん、妊娠週数や胎児の体重、頭位を保っている、などの条件をクリアしていることが必要です。条件については病院によって違うため確認が必要です。
私が出産した病院は「妊娠34週以降、体重1800g以上、1人目が頭位」が条件でした。
③前回の妊娠で帝王切開をしていないこと
経産婦で前回が帝王切開だった場合、一度子宮を切開しているため、陣痛においての子宮破裂などのリスクがあることから自然分娩は難しくなります。
双子を自然分娩で出産する割合は?
多胎妊娠の70%は帝王切開が行われると言われています※1。つまり、残りの約30%は自然分娩が行われていることになります。
そして双子の自然分娩の成功率は70-80%と言われています。※2
※1DNA先端医療株式会社HP ※2日本赤十字社HP
双子の自然分娩はリスクも伴うため、経過によっては出産の途中で帝王切開に切り替えられることもあります。
双子の自然分娩のメリット・リスクは?
自然分娩のメリットは帝王切開に比べて出血が少なく、おなかに傷がつかないため母体の回復が早いことと言えます。
一方、双子の自然分娩はハイリスクと言われおり、不安になるデメリットもあります。
・微弱陣痛でお産が長引く可能性
双子が入って伸びきってしまった子宮筋がうまく収縮せず陣痛が弱いままでお産が進まない可能性があります。促進剤を使用しなくてはならなくなるなどお産が長引く可能性があります。
私も微弱陣痛でお産が進まず、促進剤を使用しました。
・2人目が下りてこられず帝王切開に切り替わる可能性
双子の自然分娩でトラブルが起こりやすいのが1人目が産まれた後のタイミングです。2人目が下りてこられずに状態が悪くなってしまったり、胎位が変わってしまったり、へその緒が出てきてしまったり。その場合は緊急帝王切開に切り替えられるため、母体の負担は大きくなります。
1人目の誕生直後は、Drが次の赤ちゃんの胎位と心音をすぐさまチェック。その場も緊張感が走ります。
・弛緩出血が起こる可能性
帝王切開でも起こりうるリスクですが、出産後も子宮筋が伸びきったままで収縮せずに出血量が増えてしまう可能性があります。双子の場合、単胎児よりもさらに大きく伸びるので、リスクが高いと考えられています。
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双子の自然分娩体験談
双子の自然分娩には産める条件やデメリットもあるため、帝王切開を選択するママや医師も多いです。
私の場合は「自然分娩で産みたい」という気持ちがあり、自然分娩を推してくれた主治医と出会い、産める条件もクリアしたため自然分娩での双子出産に挑戦することにしました。
ここでは私の出産までの経過をお伝えしていくので、「実際にはこんな感じで双子のお産が進んでいくんだな」と数ある出産経験談の一例として参考にしていただければと思います。
〜私の出産日までの簡単な経過はこちら〜
30代前半、2年前に単胎児の出産経験のある経産婦。
二絨毛膜二羊膜双胎(DD双胎)で双子の中ではリスクが低めと言われている分類でした。
妊娠23週で切迫早産の診断が下り、その時すでに子宮頸管が1cmだったため「いつ産まれてしまってもおかしくない」と緊急入院。
24週で子宮頸管縫縮術を受け、出産までの3ヶ月間はほとんど入院し24時間点滴加療をして過ごしていました。
入院先の自然分娩の条件は「妊娠34週以降、体重1800g以上、1人目が頭位であること」。
主治医とは35週以降の出産を目指していました。
入院生活も長かったので「早く産みたくてしょうがない‼︎」という気持ちでいっぱいの毎日を過ごしていました。
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・35週で抜糸、36週で点滴抜去、そして破水
切迫早産で入院生活を続けていた私も病院から提示されていた自然分娩の条件である妊娠34週が過ぎ、赤ちゃんの体重も1800gを超え、2人とも頭位だったため出産方法は自然分娩で決まりました。
後は産むタイミング。
私の場合は点滴加療と子宮頸管縫縮術のおかげで双子をおなかに保てていたようなものなので、この2つを外せばおそらく陣痛が始まります。Drからは「36週に入ったら産みましょう」と言われました。
そして36週での出産に向け、まずは35週3日で子宮頸管縫縮術の抜糸。
が、なんと抜糸した途端すでに子宮口3cm開大。
え?もう産まれるんでないの?とびっくり。
Drは「いつ陣痛が起きてもおかしくないけど、点滴は36週に入るまでやっておきましょう」
と言われ、点滴を継続。なんとか36週まで陣痛がくることなく過ごすことができました。
そして36週1日午前、ついに点滴抜去。
3ヶ月24時間続いた点滴を抜去した時の開放感と嬉しさといったらない!
なんて喜びに浸っていると、なんとその時すでに子宮口6cm開大していることが発覚。
Drも「ありゃりゃ。もう赤ちゃんの頭が触れるくらいだ。」と。
さ、触れる⁉︎もう出てきちゃうんじゃないか…。
「今日か明日だね、今日産まれなかったら明日に促進剤を打って産みましょう」とDrから言われました。
しばらく経つと徐々に張りが増えていく感覚。
夜になると張りが強くなっていき「陣痛が来るかも…」とソワソワ。
その日の夜は、お産になった人も多いようで叫び声が聞こえていたこともあり、ぐっすり眠れず。
そして夜中0時半、サーと少量の尿漏れの感覚。
ん?これは噂の破水では?
とりあえずNsコールを押し、
「破水したかもしれません。」
と伝えてNsが来てくれるのを待っているとさらに液体がポタポタ。
これは破水だ!と確信。
来てくれたNsに伝え陣痛室へ向かいました。
ついにこの時が来たー!!!!
そして子宮口を確認するとなんともう10cm開大!
とのことですぐに分娩台へ直行しました。
・微弱陣痛で促進剤投与
さー産むぞ!!
となっていたものの、長男の時のような激痛の陣痛がない。弱い…。
あれ?全然耐えれる痛みなんだけど。
点滴のルート確保に苦戦していたNsに「こっちの血管が太くて入れやすいですよ」なんて話したり、「陣痛弱いですかね」なんて余裕で話す私を見て、
しばらく見守っていたDrも「ちょっと促進剤打つか…。」と言い、促進剤の準備が始まりました。
Drは促進剤は使わずに出産させたかったような雰囲気でしたが、私としては全然産まれる感じがしなかったので「どうぞ、打ってください」という気持ちでした。
微弱陣痛になるかもと思っていた上に出産ハイにもなっていたためか、あまり不安にはなりませんでした。
点滴で促進剤を投与し30分ほどすると徐々に陣痛の痛みが強くなってきているのを感じました。
・「あれ?もう産まれた」1人目出産
陣痛が強くなってきたため、助産師さんとイキみ始めましたが、まだ出ない感じ。
私が長男の出産で学んだこと。
「Drが来ていない時にはまだ産まれないから、頑張ってイキんでもしょうがない。」
長期入院で体力も筋力も落ちているのを自覚していたため、頑張っているフリをして温存していました。
母強し。2度目の出産ともなると手の抜き方がわかってきます。
15分ほど経つと主治医のDrや小児科のDrが集まってきました。
「よし、そろそろか。」と私も本気になる。
Drの補助、助産師の掛け声に合わせて3、4度本気でイキみました。
便秘の時のイキみ方をすると「上手!」と褒められます。
「もう力抜いていいよ〜。ハッハッハッ」と短く呼吸をするように助産師さんから言われると、
「はい、1人目産まれたよー‼︎」
無事1人目出産。
産まれた子はすぐに小児科Drのもとで健康チェックを受けます。
全然産まれた感覚なかったけど…産まれた!
長男の時にはメリメリと産道が開かれていくような、骨盤が開いていくような赤ちゃんが通っていく感覚がありましたが、今回はそういった感覚がありませんでした。経産婦であることや小さく産まれたことが影響しているかもしれません。
・一瞬緊迫する空気…も、すぐに2人目出産
1人目の出産後は、Dr達がドタバタと2人目の心音や体位を確認します。
この頃には夜勤医師、主治医、医局長の3人の産婦人科医が駆けつけてくれていました。
双子の出産はハイリスクのためDrの配置も手厚いです。
「心音OK!頭位!大丈夫!」
「このまま産めます!」
よっしゃ!このままいけるぞ!
2人目はあまり強くイキんだ記憶はなく、15分もかからないほどでツルっと産まれました。
「もういいよ!イキまなくて!」
「はい、2人目も産まれました!」
え?もう産まれた?!
2人目も産まれた感覚はなく、助産師さんの声かけで知ったのでした。
2人目の赤ちゃんもすぐに小児科Drの健康チェックのため別室へ連れて行かれました。
・結果、計2時間の超スピード出産!
微弱陣痛で点滴は打ちましたが、結果としては超スピード出産。
病院の方針で赤ちゃんの体重が2200g以下は入院加療となっていましたが、
長女は2100gでギリギリ入院、次女は2200gでしたが、「元気がある」との小児科Dr判断でギリギリ入院を免れました。
不安はありましたが、振り返ってみれば実にあっけない出産でした。
・産後はやっぱりクラクラ…
産後の私の体調は、子宮の戻りや出血等の経過は良好。
しかし、出産時の出血による貧血と出産の疲れから、立ちくらみや気持ち悪さが1日続きました。
当日の夜は赤ちゃんを看護師さんに預けてゆっくり休めたため、2日目以降はそういった症状もなくなりました。
また、大きなおなかが一気に凹んだので、からだのバランスの取り方がわからなくなり、おなかに力が入らないこともあって「どうやって力を入れて立っていたっけ?」と違和感を感じました。
こんな感じで私の双子の出産は無事終えたわけですが、経産婦であったことや切迫早産でもともと産まれそうな状態であったため、超スピード出産であったと考えられます。
双子を自然分娩で産むのは誰もが経験できることではありません!みなさんも大変ですが頑張ってくださいね。
\そしてこれから始まる双子との生活は?/
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双子の自然分娩体験談Q&A
Q1. 自然分娩でかかった費用は?
・約46万円
病院によって金額は違うと思いますが、私の場合は市立病院だったので比較的良心的な価格だったのではないかと思っています。
〈双子出産費用の関連記事〉
Q2. 自然分娩で良かったと思ったことは?
・産後の回復がしやすい
双子との生活が始まった後は寝る暇もなく産後の回復に時間がかかりましたが、帝王切開だったらもっと時間がかかっただろうと思うと自然分娩で良かったなと感じています。後は、出産費用が思ったより安くて良かったなと感じました。
Q3. 自然分娩で大変だったことは?
・リスクの不安と闘う
自然分娩では途中で帝王切開に切り替わる可能性もあったため、出産前は不安な気持ちがありました。私の場合、分娩自体はスピード出産だったため「すごく大変」よりも「え?もう終わった?」という感じでした。出産も2回目だったので肝は座っていたと思います。冷静に手を抜けるところは抜いていたので…初産であったらまた違ったかも。
Q4. 2人の産んだ時間差は?
・15分くらい
1人目を産んだら一息つくと思いきや、すぐに2人目の心音、位置を確認して、「さあ2人目!」の声かけがありました。1人目で産道もできているので少し頑張ってイキんだらあっという間でした。
Q5. 分娩時に便利だったグッズは?
・ウィーダーゼリーとストロー付き飲料
\産後のママの食事にも役立つ!/
簡単にカロリーと水分を摂取でき、寝ながらでも飲みやすいウィーダーゼリーは出産時に大活躍!忙しい産後のママのおやつや食事の栄養補助食に活躍するので多めに用意しても良し。旦那様の朝ごはんにも!(産後はパパの朝ごはんなんて準備する余裕はありません!)
\出産には必須/
出産時にはイキんで喉が渇くもの。寝ながら飲めるストロー式のペットボトル飲料は用意必須です。
ちなみに…陣痛逃しに役立ったのはテニスボール(長男時)
\陣痛逃しの必需品/
長男の時に子宮口が10cmまで開大するまでの陣痛逃しに重宝したテニスボール。お尻に当ててイキみたいのを我慢するのに1番効果的でした。今回双子の時も用意しましたが、すぐに開大したので出番はありませんでしたが、陣痛逃しにテニスボールはおすすめです。
Q6.自然分娩のために気をつけていたこと
・運もあるためコレ!というものはない
自然分娩ができるかどうかは、ママの健康状態や赤ちゃんの膜性や位置など、正直運もあるため、努力だけではどうにもならないことは多いかもしれません。けれど日常生活でからだに負担をかけず「無理をしないこと」は大事だと思います。「安静でいること」「栄養バランスの整った食事」を意識することは母体の健康と胎児の成長を促し、妊婦特有の高血圧症や糖尿病、切迫早産の進行を抑制することができます。
運動不足になりがちな双子ママは栄養バランスの整った食事はとても大切です。
\妊婦さんに必要な栄養素をおいしく摂取!/
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双子の自然分娩【まとめ】
さて、今回は「双子の自然分娩って実際色々どうなの?」と疑問に感じている双子のプレママ・パパに向けて、双子の自然分娩についての基本情報から私の出産体験談までお伝えしてきましたがいかがでしたか?
双子の自然分娩は帝王切開と比べて症例が少なく、分娩中のリスクも高いですが、自然の形で産むことができて産後の回復も早いため「できれば自然分娩で」と希望するママも実際は多いと思います。
帝王切開の「お腹を切る」という響きだけでもビビってしまいますもんね。
しかし、帝王切開の方がママや赤ちゃんにとって負担が少ない可能性もあるので主治医の先生とじっくり話し合って方針を決めていきましょう。
私の双子の自然分娩は経産婦である上に、いつ産まれてもおかしくないくらいの重度の切迫早産だったため、超スピード出産でした。
でも促進剤は使ったので双子の出産は一筋縄ではいきません。
本来1人しか入らないはずの子宮に2人が入る奇跡、そして無事に産める奇跡、さらに自然分娩で産める奇跡。いくつもの奇跡が重なった上に今があると思うととっても不思議な感じがします。
なかなか普通の人には体験できない貴重な時間を過ごせていると思うと、少し鼻高々になった気もします。
ぜひ、貴重な双子の出産時間を大切にかみしめてください。
ちなみに産後はもっと大変ですから…www
\産後の病み生活…/
みなさんが無事に可愛い双子ちゃんと会えますように。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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