子宮頸管縫縮術のデメリットは?経験してみてわかる2つの注意点
子宮頸管縫縮術は早産を防止する手術として有名ですが、実際に手術を行う上で「子宮頸管縫縮術って本当に大丈夫なの?」「デメリットはないの?」と不安に思う方はいませんか?ただでさえ手術は怖いもので、さらにお腹に大切な子どもがいる状態では更に不安が増しますよね。この記事では私が子宮頸管縫縮術を経験した上で感じたデメリットをはじめ、手術を受ける上で知っておいた方が良い知識をまとめました。
私は手術について先生に「大丈夫ですよ〜」と簡単に言われたものの怖くてたまりませんでした。
子宮頸管縫縮術は早産防止に有効と言われる手術である一方、低リスクではありますが手術の刺激による流産・早産リスクがあると言われています。不安な気持ちが強いまま手術を行う方が多いと思いますが、まずは子宮頸管縫縮術の正しい情報と経験談など色々な情報を取り入れた上で、気になることは主治医に相談することで不安が少し解消されると思います。
先生と納得いくまで相談をして信頼関係が築けると「頑張ってみよう!」と思えるようになるかもしれません。
私は双子を妊娠して切迫早産となり24週で子宮頸管縫縮術を経験しました。私自身は手術が初めての経験、そして手術のリスクに不安を感じていましたが、結果としては36週まで双子をお腹に留めることが出来たので子宮頸管縫縮術を受けておいて良かったなと思っています。ただ、辛い思いや痛い思いをした部分もあり、これが人によっては手術を受ける上でのデメリットに感じる部分ではないかと思ったので、経験した人にしかわからないお話をお伝え出来ればと思います。
この記事でわかること
- 子宮頸管縫縮術とは
- 子宮頸管縫縮術のデメリット
- 術後の経過
- 抜糸について
- 子宮頸管縫縮術その他の疑問【費用・仕事復帰】
是非読み進めてみてください。
子宮頸管縫縮術とは
まずは、子宮頸管縫縮術について知っておいた方が良い基礎知識をお伝えします。自分がこれからどんな手術を受けるのか、リスクは何かをしっかり確認しておきましょう。
子宮頸管縫縮術について
子宮頸管縫縮術は、子宮頸管(子宮の入り口)がゆるんでしまった状態のところを糸で縫い縮める手術です。妊娠中に「子宮頸管無力症」と診断された方へ実施し、早産や後期流産のリスクを減らすことを目的としています。
子宮頸管無力症とはお腹の張りや不正出血、腹痛などの自覚症状がないまま子宮口が開いてしまう状態です。
手術の種類
子宮頸管縫縮術は主に以下の2つの術法があります。
①Shirodkar(シロッカー)手術
シロッカー手術では膣に切開を加えて縫合糸を通し、出来るだけ内子宮口に近いところで子宮頚管を縫縮(縛る)します。
②McDonald(マクドナルド)手術
McDonald手術では膣に切開を加えることなく子宮頚管を外側から縫縮します。
どちらの手術も妊娠36~37週で抜糸することが多いです。しかし、分娩が帝王切開の場合には帝王切開時に同時に行うことが多いようです。
私はマクドナルド法でしたが、シロッカーかマクドナルドかの判断は病院の方針やママの状態に合わせて主治医が判断してくれるので意見を聞きましょう。
実施時期
子宮頸管縫縮術の実施時期は目的によって以下の2つの時期に分かれています。
①予防的
前回の妊娠で子宮頸管無力症と診断された方は今回の妊娠では早い段階で予防的に行われます。妊娠13~16週で行われることが多いようです。
②治療的
子宮頚管無力症と診断された時に妊娠週数や子宮頸管長、子宮収縮・感染・出血などの状態を総合的に評価し、手術適応か否か判断されます。一般的には妊娠27週頃までが手術時期となります。
私の場合は手術をすれば自宅退院、手術をしないと出産まで入院になると言われました。主治医からは「手術の方が良いと思う」と勧められました。
合併症
子宮頸管縫縮術の合併症は流産・早産です。予防的子宮頸管縫縮術では破水・感染による流産の可能性が2%程度あると言われています。治療的子宮頚管縫縮術では子宮頸管の状態や妊娠週数によって破水・感染・陣痛発来のリスクが高くなります。
私はお腹の張りが頻繁だったので手術したことによって逆に陣痛を誘発してしまうのではないかと不安でした。
子宮頸管縫縮術のデメリット
ここでは私が子宮頸管縫縮術の体験談(術後の経過・辛かったことなど)をお話ししながら、私自身が感じた手術のデメリットをお伝えしたいと思います。
デメリットはありましたが、結果として私は子宮頸管縫縮術を頑張って受けて良かったなと思っています。
私の体験談
私は第2子で双子を妊娠し、多胎妊娠ということもあり24週の時に切迫早産の診断を受けました。ただ、長男の時にも32週で切迫早産の診断を受け自宅安静の指示を受けた過去があったので「今回も切迫早産になりそうだな」と予想はしていました。とは言いながらも思った以上に早い週数での診断でしたが•••。
私が手術を受けた際のからだの状態は以下の通りです。
- 診断名:子宮頸管無力症
- 子宮頸管長:1cm
- 自覚症状:お腹の頻繁な張り
- 手術を受けた週:24週
- 手術方法:マクドナルド法
張り止めは20週の時から服用していたものの張りはおさまらず、定期検診で「いつ産まれてもおかしくない状態になっている」と判断され、すぐに転院先の病院に入院しました。そこで入院初日に子宮頸管縫縮術の説明を受け、4日後に手術を受けました。
手術までは24時間点滴加療と室内安静で過ごしたおかげで、お腹の張りはかなり減り、落ち着いた状態を保つことができました。
数日前まで仕事をし子育てをしていた私は夢のよう。。私のようにいきなり入院・手術の方は多いですよね。
入院経過
私の子宮頸管縫縮術の入院経過を簡単にお伝えします。
私は主治医から、
「術後の経過を見て2週間を目安に自宅退院を目指そう」
と言われていました。
以下が実際行われた治療スケジュールです。
入院4日後に手術を受け、術後のお腹の張りはドクっドクっと強い波があったものの、点滴でなんとか徐々に治まりました。
その後は自宅退院に向け、点滴から内服へ順調にステップアップし、
感染予防の座薬の自己挿入を練習した上で16日目に自宅退院となりました。
退院を待ち焦がれていたはずなのに自宅に帰ると「大丈夫かな」と不安は募ります。。
・「手術後の痛みや張りがどうだったのか知りたい!」と不安な方はこちらの記事でまとめています。
・手術後も油断禁物!退院後はどんな生活を送りどんな不安があったのか下の記事で紹介しています。
妊娠線は知っていますか?一生消えない妊娠線、入院中の空き時間にぜひケアをしてあげてください。
術前後でつらかったこと
ここでは手術前後で私が「辛い•••」と感じた場面をお伝えします。人によっては「大丈夫だった」「平気だった」と感想を持つ方もいると思うので、感じ方に個人差があることは頭に入れておいてくださいね。
①メドマーのアラーム
術後は麻酔により足が動かせる状態ではないため、術後〜翌朝まで血栓予防のために足をマッサージしてくれる機械(メドマー)を装着しました。この機械なんですが上手く装着できていないとすぐにアラームが鳴り響きます。そしてこれがまたよくズレる•••その度に起こされ、看護師さんが来てくれて機械を再装着。。疲れているのに寝られず辛い夜でした。
夜には麻酔が切れて足を動かせていたのでお願いだからもう外してよ・・・という思いでした。
②足圧ソックス
足圧ソックスも血栓予防の為にはいたのですが、とにかく暑い!点滴の副作用もあったと思うのですが、足圧ソックスを履いて、その上からメドマー装着。感覚が戻る頃には暑いしアラームは鳴るしで非常に寝苦しくて苦痛でした。
動けるようになっても「決まりだから」と外してはくれませんでした。辛い。
③導尿カテーテル
導尿カテーテルは術後〜翌朝までつけましたが、看護師さんに溜まった汚物を処理をしてもらったり、陰洗浄をしてもらったりするのはやっぱり申し訳ないし、嫌だな〜という気持ちでした。。
便もベッド上でするように言われていましたが、それは絶対嫌だったので下剤を飲んで術前に対処しました。
④頭痛・吐き気
麻酔の後遺症のようなのですが、頭を挙げると「ズンズン」と脈を打つような痛みと込み上げてくる気持ち悪さで起きていられずほぼ寝て過ごしていました。ご飯も食べる気がせず、術後4日間はほとんど食べられませんでした。1週間ほどで症状は改善されましたが、辛い1週間でした。
これが1番辛かった•••。長引く頭痛に気が滅入ってしまい、精神的にも辛かったです。
こんな感じで辛いことがいくつもあり、気持ちが沈んでしまいました。
手術中につらかったことはこちらの記事でも詳細に紹介しています。
私が感じたデメリット
ここまで子宮頸管縫縮術の体験談をお話ししましたが、これらを踏まえて私が感じた子宮頸管縫縮術を行う上で感じたデメリット2つをまとめました。
①手術による流産・早産のリスク
子宮頸管縫縮術は子宮口に刺激を加え、破水や感染症を引き起こす可能性が少なからずあります。低リスクとは言え、流産・早産の可能性がある子宮頸管縫縮術は受ける上でのデメリットになります。
私も術前にリスクの説明は受けましたが怖いような他人事のような•••でも考えれば考えるほど不安の気持ちが強まりました。しかし結局は「いつ産まれるか分からない」と言われている状態では手術を受けなくても流産・早産をしてしまう可能性が大きいと感じたので覚悟を決めて望みました。
実際に術後のおなかの張りはかなり強く「大丈夫?!」と不安になりましたが、看護師や医師がこまめに見てくれ点滴加療で張りは徐々に治っていき、無事乗り越えることが出来ました。
私は主治医が「大丈夫だと思いますよ」と言ってくれたので不安は0ではありませんが受ける決意をしました。
②術後の管理・麻酔の後遺症
2つ目は先ほど「つらかったこと」で記述していますが、導尿カテーテルを入れられたり、看護師さんに洋服を着せてもらったり手術の前後は恥ずかしく苦痛なことが多いことです。
また私の場合、麻酔の後遺症である頭痛と吐き気が1週間続いたのが精神的にも身体的にも辛い思い出となっています。麻酔の後遺症は個人差があるようですが、私は麻酔が効き過ぎて手術中意識が飛びそうになったので、麻酔に何かと反応しやすい方は要注意です。。
でも早産を防げたと思えば頑張って良かったと思いますし、人生経験としては良いものだったと思えます。
私が感じたメリット
さて、ここまで子宮頸管縫縮術の体験談やデメリットをお伝えしてましたが、「麻酔が怖い!」「早産が怖い!」と思った方もいるかもしれません。しかし私は「手術止めとけ〜!」と言いたいわけではありません。
私は子宮頸管縫縮術のおかげで36週まで双子をお腹に留めることが出来たので、やったことを後悔しているわけではありません。忘れてはならない子宮頸管縫縮術のメリットもここでまとめておきたいと思います。
①自宅退院を目指せる
子宮頸管縫縮術をすると、自宅退院を目指すことが出来ます。私の場合も「手術をすれば自宅退院を目指せる」と言われたことも後押しして手術を受けました。予防的に手術を行った方は自宅退院はもちろん仕事復帰も目指せます。状態によっては退院が出来ない場合もあるかもしれませんが、自宅に帰ることがチャンスがあるなら辛い手術も頑張れます。
②早産を防げる
そして早産防止は最大のメリットです。赤ちゃんはママのおなかにいる期間が長いほど、後遺症なく元気に産まれてきてくれる可能性が高まります。私は不安に思いながら子宮頸管縫縮術を受けましたが、やっておいて良かったと思っています。
というのも•••
私の場合、35週で抜糸をしたのですが、抜糸をした途端子宮口が3cm開いてしまったんです。主治医とともに「手術しておいて良かったね!」と胸を撫で下ろしました。
そして36週で点滴を外したその日の夜に破水・出産となりました。
私にとって子宮頸管縫縮術と点滴加療は妊娠継続に必要不可欠だったことを身に沁みて感じた出来事でした。
入院・手術を頑張ってよかった!と心から思いました。
手術は怖いことや痛いこともありますし、リスクも心配ですが赤ちゃんのためにも主治医や家族とよく話し合って頑張って乗り越えてみましょう。
子宮頸管縫縮術の疑問
抜糸は痛い?
抜糸は診察台で麻酔無しで簡単に行われる処置です。私は35週で抜糸しましたが、ネットでは「かなり痛い!」「出血する!」と書かれていたのでやってもらう前は恐怖でした。が、実際はチクチクしている感じで痛みはありませんでした。医師の腕にもよるのかな?と思います。
私はやってもらう前に「すごい痛いらしいですが大丈夫ですか?!」と必死に訴えたので慎重にやってくれたのかもしれません。
手術費用は?
調べてみたところ、ある病院では8〜10日間の入院・シロッカー手術で¥100,000の費用でした。私の場合、明細書が残っていなかったので詳細な費用はお伝えできないのですが、高額療養制度を利用して会計をし、16日間の入院・手術で10万円以上はかかっています。
「高額療養制度って何?」「入院費が不安」という方は下の記事も併せて読んでみてください。
術後の仕事復帰は?
予防的子宮頸管縫縮術を行った方は仕事内容を工夫しながら仕事復帰を目指せる方もいると思います。治療的子宮頸管縫縮術を行った方は基本的に切迫早産であることには変わりがないので、退院後も引き続き自宅安静をするように言われる方が多いと思います。仕事復帰については早めに主治医と相談し職場に報告・相談をして決めていきましょう。
私は退院後2週間で再入院でした。手術をしたからといって油断してはいけません。。
子宮頸管縫縮術後の生活について・仕事復帰については知りたい方は下の記事も併せて読んでみてください。
手術前にしておいた方が良いことは?
入院を経験する方が悩むのが時間のつぶし方です。子宮頸管縫縮術を受けた方は安静が基本で、私のように麻酔の後遺症で寝たきりかもしれません。そんな時におすすめしたいのがポケットWi-Fiと動画配信サービスの登録です。寝ても起きても楽しめますし、時間もあっという間に過ぎていきます。
私の入院先のTVカードは20時間視聴で1000円、4日間ほどで終わってしまいます。ポケットWiFiなら月々3600円で無料・有料動画を楽しむ方が安上がりです。
入院中に私が行っていた暇つぶし11選をまとめてみました!よかったらみてみてください!
多胎妊娠は手術を受けるの?
3つ子ちゃんの場合は予防的子宮頚管縫縮術が勧められることが多いようですが、双子の場合は必ずしも受けるわけではないようです。私の場合も切迫早産になってから子宮頸管縫縮術を勧められました。
子宮頸管縫縮術が無事に終わったら妊娠線のケアを始めましょう!
子宮頸管縫縮術のデメリット【まとめ】
子宮頸管縫縮術は「早産を防げる」という最大のメリットがありますが、手術による早産のリスクや手術しても意味がないと言われることもあるので不安な方もいると思います。私も実際に子宮頸管縫縮術について調べた時にそういった文献が出てきてとても心配になりました。私にとっては子宮頸管縫縮術は早産を防いでくれたありがたい経験になっていますが、手術の前には主治医や看護師さんや夫とたくさん話をしました。
子宮頸管縫縮術は週数が進むと受けられなくなってしまいますので、子宮頸管縫縮術を勧められて迷っている方、不安な方は主治医や家族とよく話して赤ちゃんとママにとって最善の方法が見つかると良いですね。
たくさん質問して話し合って決めましょう!
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最後まで読んでいただきありがとうございました。
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